沿岸部と内陸を高速で結ぶ大動脈
地図を広げてみると、梁川は山間地ながら、交通の要衝であることがわかる。東西に走る道(R一〇七)は、西は北上を経由して、秋田まで通じている。東は、遠野をへて、釜石や大船渡の沿岸部まで、内陸と海をつないでいる。
南北に通る道は、江戸時代からの南部藩と仙台藩を結ぶ道。赤部の峠は梁川のさまざまな歴史をきざむ道でもあった。
その梁川に、平成二十四年、高速道路が通じ、インターチェンジもできた。名前は「江刺田瀬IC」。梁川に住む人間にとっては「梁川IC」にしてもらいたいところだが、ぜいたくは言うまい。なにせ、花巻空港まで十五分、盛岡まで三十五分で結んでくれる。
昨年の暮れ、平成二十七年には宮守から遠野までの区間も開通して、遠野は岩谷堂や水沢と同じ「ご近所のマチ」になった。将来全線が開通すれば、釜石まで四十五分で行けるのだ。
道は、モノやヒトばかりでなく、情報や希望や想いまで運んでくれる。
このインターチェンジを通じて、ふるさと梁川に、たくさんのヒトやモノがやってきて、新しい息吹を吹き込み、梁川の発展の起爆剤になってほしいと願う。
(菊池 伸一)