村の歴史を見守って五百年
時の流れを刻む夫婦杉
舘下の町並みの南端の坂を上る途中に、三段からなる小丘があり、今は、「農村公園」と称しているが、かつては「護法塔」と呼ばれ憩いの森・読書の森として、また、お花見場として地域の人々に親しまれている。
公園の丘頂には、「夫婦杉」という樹齢約四?五百年になる二株の姥杉が天にせまるようにそびえている。いずれも周囲五m高さ二十六mもあり、枝張りの外見は円錐状で遠方から見れば恰も一本の樹のごとくに眺められる。
夫婦杉は、この頃下のほうの枝枯れが目立つようになっているが、二株の杉は新しい枝を伸ばし元気にそびえ輝いている。そして、夫婦杉は人々の生活を丘の上から眺め、私たちと同じように、嬉しい事を喜び、悲しいことを嘆き、優しく見守り元気や希望を与えてくれる大きな宝物です。
夫婦杉の周りには、「南無妙法蓮華経」と刻まれた石碑や忠魂碑、戦没者慰霊塔などがある。また、周りを取り巻くように桜の樹が植えられ四季を彩っている。
夫婦杉は時の流れを刻むようにしっかりと大地に根をはり、更なる未来に向って伸びている。
(菅野 健悦)